ホーム リーダーシップ コロナ禍で変わったこと、変わらないこと~ 日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.18

コロナ禍で変わったこと、変わらないこと~ 日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.18

新型コロナウイルス禍において、ストラタスにおける最優先事項は、従業員、お客様、パートナー様の健康と安全です。 このことは米国本社CEOの、デビット・ロレーロが宣言しております。また、社内外でのコミュニケーション機会でも徹底して伝えています。ストラタスではCEO直属のCOVID-19タスクチームが任命されています。このチームは、コロナ禍における健康と安全に関するリスク、およびビジネスリスクを軽減するために必要と考えられる計画を策定しています。さらにタスクチームは、進行中のCOVID-19に関する社内コミュニケーションを担当しています。

日本でも、COVID-19タスクチームの名のもとに、人事・法務・財務・情報システムのメンバーが中心となって、状況の確認と対策検討をしています。実際の施策は米国本社で考えている対策ステップ(RTO=Return To Office Program)を参考にしながら、日本の感染状況や政府・地方行政のガイドラインを参考にして立案・遂行しています。現在は、出社する必要性がある社員に絞り、人数制限をしながら事前承認の下に出社を許可しています。また、会議室の使い方、来訪者の承認と対応、客先訪問時の事前確認、消毒やソーシャルディスタンスなど、多くのルールを設けています。

8月末の時点では社内で感染者は発生していません。ただし、今後も感染者が必ず発生しないとは限りません。最近では、新規陽性者において接触歴等不明者の割合が過半です。以前は多かった会食や密閉型イベントといった明確な感染経路ではなく、日常生活の中で感染をする可能性もあります。従いまして、上記の対策チームでは、感染者(同一ではありませんが、実際にはテスト陽性者)が発生した場合の具体的な対応も策定して、リスクに備えています。

個人的にも、コロナ禍において変わったことが沢山あります。主に移動を伴う活動が影響を受けました。海外出張は昨年の12月以来ありません。オフィース出社や客先訪問も減少しました。また、集合型の社内イベント、そして集客型のマーケティングのイベントなどもテレビ会議形式に置き変わりました。一方で、変わっていないことも沢山あります。これらの多くは、以前からビデオ会議システムで実施していたことです。米国本社との間での、毎週のビジネス進捗ミーティング。地域毎のGMが全員参加する隔週のスタッフミーティング。月に一度の製品事業部とのミーティング。CTOやマーケティングマネージャとも月次で個別ミーティングをしています。米国本社CEOとの個人面談もあります。これらは、変わらないことです。

以上は、自分自身の働き方を中心にした見方ですが、会社全体を俯瞰すると、職種により働き方の自由度には、かなり幅があります。現実に出社が必要な仕事も数多くあります。当社では無停止型のコンピュータをサポートする必要性から、24時間体制で対応するフィールドエンジニアがいます。顧客システムのサポートのために、現況下においてもローテーションで出社しています。また、開発エンジニアの中には、客先プロジェクトで実質上のメンバーとして貢献をしているエンジニアがいますので、パートナーのオフィースに出社する機会があります。総務担当や管理部門のメンバーにはローテーションで出社をしてもらい、必要な対応をしてもらっています。マーケティングや事業開発のメンバーも、デジタルコンテンツ作成のためにビデオ撮影をする機会には、社内の機材や施設を使用するために出社します。営業担当者やプリセールスエンジニアも、提案活動の必要な局面で出社をして作業をすることがあります。

最近は、メディアなどでもコロナ禍が収束したあとの、コロナ後の世界に関する話題を見受けます。グローバリズム・ビジネス習慣・教育環境・遠隔医療など多くの話題があります。ここでは主にICT業界に紐付けて考えてみます。間違いなく言えることは、デジタライゼーションが進むということです。使用中のICT機器や仕組みを、最新の技術を用いてより便利に進化させ、現場レベルでデジタル化を推進することがメインとなります。冒頭に、コロナ禍で私自身の仕事で変わったところと、変わっていないところをお伝えしました。元来、米国本社との夜間や早朝のコミュニケーションのために、在宅で仕事のできる環境がありました、しかし、コロナ禍において同様な環境が多くの社員に提供されました。在宅勤務(あるいはテレワーク)が中心になりましたので、それをサポートするデジタル化が必要になったのです。これは、単にクライアントPCや通信の話だけではなく、デジタル承認やクラウドの利用にもかかわることです。出社して押印する作業は削減する必要がありましたし、会社のプライベートネットワークに入らないと業務アプリケーションやコミュニケーションツールが使用できないということでは不便です。

実は、デジタライゼーションはオフィース業務だけでなく、より多くのビジネス環境で進展すると考えます。工場を例にとりますと、これまで現場の機器に近い端末で確認していた事象は、リモートから監視できる環境に移行していくでしょう。また、制御用機器も、仮想化機能で台数を集約しながら、リアルタイム性を実現するというように進化し、現場での機器の運用管理の工数を削減する方向に向かうでしょう。実は、この領域こそがストラタスが戦略的に力を入れているエッジコンピューティングにつながってきます。ストラタスは、SIMPLE(簡単で)・PROTECTED(保護されて)・AUTONOMOUS(自律した)というエッジコンピュータでの設計思想を持っていますが、遠隔地から管理できる機能や仮想化機能で機器を集約する機能を標準にしています。また、無停止型であるということ自体が、現場に行って機器のメンテナンスをする運用管理要員の工数を最小化するのです。

ICT業界では、数年前からデジタルトランスフォーメーションの重要性が訴えられています。競合差別化を狙いとするトランスフォーメーションの前に、現場での確実なデジタライゼーションの動きが加速することは、コロナ禍の予期せぬ影響となりそうです。

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