ホーム リーダーシップ ストラタステクノロジーは次のチャプターに ~日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.27

ストラタステクノロジーは次のチャプターに ~日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.27

24年ぶりの円安に

24年ぶりの円安になっています。実は、前回の1998年の円安時のことは鮮明に記憶があります。6月から8月にかけて1ドルが140円台で推移しました。当時は、米国のカリフォルニア州のクパチノ市に赴任していて、家族5人で生活していました。為替レートは1996年の1月が1ドル105円で、1997年の1月が1ドル115円程度でした。給与としては毎月一度、日本の給与をドル換算して振り込まれるのですが、1998年の円安時には米国赴任開始時と比較して振り込み額が3/4程度になりました。現地での家賃は大半を会社が負担してくれていましたが、日本での住宅ローンの返済もありましたし、かなり生活が厳しかった記憶があります。少し値段の高い日系のスーパーでの買い物が激減しました。また、小旅行をする際などは日本の預金を取り崩して米国に送金してもらいました。最終的にはCOLA《cost-of-living adjustment》という手当がでました。生活費調整の手当で、それまで日本から赴任していた前任者には出ていなかったのですが、円安のために私の給与では生活が厳しいだろうということで出た手当です。先進国からの転勤者にCOLAの手当が出ることはあまりなかったのだと思います。さかのぼって、1995年の4月から7月は1ドルが80円台でしたので、そのころに赴任していた人が円ベースで私と同等の給与だとすると、ドルベースで7割程度多い給与振り込みを享受していたということです。

円安傾向は続くのか

今回の円安の原因ですが、日米両国の金利差によって生じていることは明らかです。米国はインフレの抑制を最優先にしており、金利の上昇ペースがさらに加速する可能性が高まっています。一方で、日銀の黒田総裁は、7月21日時点の金融政策会合後の記者会見でも、金融緩和策を継続する方針をしめしています。短い時間軸で日銀の金融政策が変更される可能性は低く、結果として日米の金利差が拡大しやすい状況にあります。こうした状況は、ドル買い円売りの取引を誘発しやすく、今後もしばらくは円安傾向が続きそうです。但し、この「しばらく」というあいまいな期間は予測しがたいものです。24年前を振り返ってみますと、7月に1ドルが140円であったものが、年末には115円になっています。また、その1年後の1999年の末には102円をつけています。半年や1年間でダイナミックに変化していることが理解できます。

円安は良いことか悪いことか

円安は良いことなのか悪いことなのかという議論があります。一般的にはデメリットは家計への負担です。小麦の価格や電気代・ガス代は円安の影響を受けてすぐに値上がりします。一方でメリットは、輸出産業が活発化することです。メリットとデメリットの総量のどちらが大きいのかというのは簡単には判断はできませんが、現状の円安レベルですとメリットのほうが大きいと言われています。しかし、家計への負担というのは所得階層別にインパクトが異なりますし、やはり総量で判断するのは難しい気がします。また、このタイミングで日本のエネルギー政策や食糧政策が議論されるのは意味のあることだと思いますが、これらの検討には中長期的な産業政策の視点が重要であり、為替レートが円高方向に振れたら議論が沈静化してしまうような進め方では意味がないと考えます。

円安は企業間取引にも影響を与える

先ほどは、円安のデメリットに家計への負担を上げましたが、実際には企業間取引にも大きな影響があります。今年4月の企業物価指数は前年比10.0%程度の高い伸びになりました。この背景には輸入物価が44.6%と高い伸びであったことがあります。中間財・最終財・消費者物価と進む段階で、販管費や営業利益の部分の伸びを抑えているために、最終的な消費者物価の伸びは2%程度にとどまっています。当社のビジネスにおいても、円安の影響を受けて製品コストが上昇します。昨年来の半導体不足に起因して既に製品コストは上昇傾向でしたが、円安局面に入りより一層のコストプレッシャーがあります。一部製品は今春に価格改定を実施しましたが、輸入企業各社の価格改定が企業間物価指数へ影響を与えていることは間違いありません。

ストラタステクノロジーは次のチャプターに

9月からの下期のビジネス計画の参考にするために、以上のような円安動向や産業別の影響などに注目をしていたところ、6月末に全く別な観点のニュースが入ってきました。米国の上場企業であるSGH社(Smart Global Holding)がストラタステクノロジー社を買収することで、株主と合意したというニュースです。ストラタステクノロジーの製品やロードマップは維持され、サービスのレベルもこれまで通リとすることが前提の買収です。SGH社にはHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)やAIで利用される機器の開発製造をしている事業部もあり、将来のシナジーを期待されているようです。米国の当局に申請がされ、今年のカレンダーの下期中には買収完了することを目指しているようです。皆さんには詳細を共有できるタイミングで、追ってアップデートさせていただければと考えます。

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