ホーム リーダーシップ ストラタスそしてペンギンソリューションズのキックオフ ~日本ストラタステクノロジー 社長ブログ vol.37

ストラタスそしてペンギンソリューションズのキックオフ ~日本ストラタステクノロジー 社長ブログ vol.37

セールスキックオフ

9月末から10月初旬にかけて2週間ほど米国出張をしてきました。最初の週は、マサチューセッツ州ボストン近郊のメイナードにあります、ストラタスの本社でのセールスキックオフです。週末を挟んで翌週はカリフォルニア州のフリーモントでのペンギンソリューションズのセールスキックオフです。

ストラタス本社では、米国・欧州・アジア・日本の4地域の現場からそれぞれ10人が参加し、本社のメンバーも加わりますので、60人を超える規模でのキックオフでした。製品事業部からの開発計画や、マーケティング事業部からの販促計画なども説明されますが、最も時間をかけたのが、各地域の受注案件をストーリー化してベストプラクティスとして共有することです。

その中では、石油のパイプライン監視目的で数百台のサーバーが入ったケース、小売店チェーンに仮想化機能を生かして複数の業務アプリケーションを店舗展開したケース、OT現場でのサイバーセキュリティ対策に業務アプリと併存してセキュリティソフトを導入したケース、個々の拠点では無停止構成を採用しながら複数拠点間でディザスターリカバリ構成を実現したケースなどが目を引きました。また、日本ストラタスがあまり取り組んでいなかった領域としてビルディング管理システムに気が付きました。米国やアジアパシフィックでの実績を聞いて、早速取り組みを検討開始しました。

さらには、エッジAIについての活発な議論がありました。ztC Enduranceではインテルプロセッサを使用してかなりの量の画像処理をすることが可能であることを共有したうえで、実アプリケーションでのニーズをパートナーや顧客からヒアリングして、近い将来の製品計画に反映しようという議論です。無停止を実現するための技術と、エッジにおけるAIの計算技術は必ずしも相性の良いものではないのですが、直近での現実的な対応方法や技術的に少し先の可能性などが俎上にのりました。

東海岸での最終日にはレストランで、2ポンドのロブスターや生牡蠣などを食べました。アコースティックバンドが入っていて、サイモン&ガーファンクル、そしてエリック・クラプトンの曲を聴いてリラックスすることが出来ました。その後、2次会ではストラタスの複数のOBも参加してワインを堪能した次第です。

広がるAIインフラストラクチュアのビジネス機会

2週目のキックオフミーティングでは純粋にAIのインフラストラクチュアビジネスに関して話し合われました。米国市場ではAIインフラストラクチュアへの投資が継続しており、ペンギンソリューションズは多くの顧客にGPUを搭載した大規模な学習用サーバークラスターを提供しています。設計・構築・導入・運用の全てのフェーズでお客様と密接に連携して、製品とサービスを提供しています。最大のものは、Meta社(FacebookやInstagramのサービスを提供)のAI学習用の環境です。

クラウドサービスプロバイダーやデータセンターサービス業社・政府系研究所や大学などで採用が広がっていることは認識していたのですが、エンタープライズ(企業)での採用も増えてきているということで、認識を新たにしました。ペンギンソリューションズは典型的な学習用クラスターのモデルとして、256GPU(1 Pod)・512GPU(2 Pod)・1,024GPU(4 Pod)の構成をOrigin AIという名称でパッケージ化しています。そこには、ハードウェア・ソフトウェア・構築サービスや運用サービスが含まれています。特に、Scyld Clusterwareというクラスターソフトウェアに特徴があり、マルチベンダー環境のハードウェアでクラスターを実現するという機能では大変競合力があるようです。

GPU導入が進むも規模は小さい日本のAIインフラ

日本市場でのAIインフラストラクチュアの動向を見ますと、経産省の支援もありGPUサーバーの導入は進んでいるのですが、学習用の大規模クラスターを構築する事例はあまり出ていないようです。GPUの搭載されたサーバーをクラスター化せずに、個別に利用する形態が多いようです。日本国内で開発されているLLM(ラージランゲージモデル)も、米国のLLMと比較するとパラメーター数の規模が小さく、学習の量や深さが限定されます。これは使用用途を限定したり、効率性を重視することが背景にあるのかもしれません。また、クラウドベンダーのAIサービス利用が比較対象になるケースも多く、規模的にスモールスタートなのでしょう。

将来的には、日本でも大企業が個別にオンプレミス環境でAIのインフラストラクチュアを構築するケースが増えてくると想定します。いきなり256GPU(1Pod)からのスタートとはならないことが考えられるので、もう少し小規模な構成も本社にリクエストしています。クラウドベンダーのサービスと比較してTCO上のメリットが出るような価格帯が必要条件になるでしょう。

さて、11月7日(木)には、日本ストラタスのパートナー様向けイベント、「Partner Day 2024 カンファレンス」が東京で実施されます。米国のペンギンソリューションズの幹部が来日して、米国の最新技術動向や当社の戦略などを話す予定です。弊社パートナー各社様で、まだ、お申込みになられていない場合は、是非当社の営業に問い合わせていただき、ご参加いただければ幸いです。

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