ホーム リーダーシップ ビジネスハイライトと過渡期~日本ストラタステクノロジー 社長ブログ vol.39

ビジネスハイライトと過渡期~日本ストラタステクノロジー 社長ブログ vol.39

第2四半期を終えて

3月の最初の月曜日は寒い雨から始まりました。これまで東京では長く雨が降りませんでしたので、湿り気も心地よく感じます。当社は2月末が第2四半期の締め日であり、今週から第3四半期が始まります。

さて、先週は世界各国からの多くの受注情報が届きました。当社の営業は受注達成率で評価されますので、四半期末には通常の週にくらべて受注情報が多く入ってきます。この受注情報を見ますと、どの地域でどのような産業が当社の製品・サービスを採用しているのか理解できますので、何時も注目しています。

多くの業界で採用が進むストラタスのプラットフォーム

詳細な情報は開示できませんが、少しこの場でもハイレベルに共有したいと考えます。まず、最初に目立ったのが、米国における石油・ガス関連企業からの受注です。複数の企業から大規模案件から小規模案件に至るまで、色々な規模で受注しています。アプリケーション領域としてはHMI/SCADA、そして製造オペレーションとなっているものが多いです。中近東の産油国からも同じようなアプリケーションで受注しています。次に目立ったのが、上下水道関連案件です。米国ではある州でのサーバーが10台を超える大規模案件と、別な州での中規模案件を受注しています。さらに、東南アジアでは、やはり複数の国において上下水道関連で受注しています。そこには、10台を超える大規模案件も含まれています。欧州でも上下水道案件の受注がありました。

米国では石油・ガス以外に官公庁から交通マネージメントの用途で20台を超える大規模案件を受注しているのも目立ちました。中規模案件ですが、製紙関連や小売り関連での受注もあったようです。第2四半期のアジアパシフィックでは、金融関連でも受注が目立ちました。Banking Solutionという大きなくくりですが、やはりミッドレンジサーバで10台を超える大規模案件もありました。さらに、高速なハイエンドサーバに多くのメモリーを搭載した大規模構成を採用する案件もあったようです。

日本でも多くの産業のお客様から受注を頂きました。製造業においては自動車・電池関連・半導体製造関連の複数のお客様から受注を頂いております。また、医療関連の案件も複数案件受注しました。大型案件としては、公共案件でかなり台数の多い案件を受注させていただきました。さらにこの四半期では、新規の分野として、物流・倉庫、ビルディングマネージメント、カメラ連携の画像処理などにも益々機会があると感じた次第です。

AIとエッジの相乗効果への期待

米国のAI関連のビジネスでは相変わらず規模の大きな案件での受注が目立ちます。クラウド事業者、政府関連、大学、民間企業のそれぞれのカテゴリーで投資が継続しています。1月に中国の新興企業であるDeepSeekが発表したAIモデルが、「オープンソース」モデルで軽量であるのもかかわらず、高性能を示したことが発表され、ディープシークショックが喧伝されました。AI技術革新バブルの中で「投資機会への過大評価」があったのではないかということです。実際にエヌビディアの株価が乱高下したり、大規模クラウド事業者の投資がピークアウトするのではないかともいわれています。しかし、少なくとも当社の受注状況を見た範囲では、大きなブレーキはかかっていないように感じられます。但し、ハイパースケーラが競争して「学習」環境に大規模投資する時代から、「推論」中心の時代にどこかのタイミングで移行するのではないかという意見も専門家からは聞こえてきます。その場合でも、ペンギンソリューションで培ったAIインフラの技術と、ストラタステクノロジーのエッジコンピューティングの技術が相乗効果を生み、エッジでの「推論」のチャンスが来るのではないかと期待しています。

ストラタスからペンギンソリューションズへ

仕事の参考にするために、米国や英国のニュース番組を見る機会があるのですが、最近は世界史の過渡期を経験しているのだなと感じることが多いです。欧州での各国選挙結果から見受けられる右傾化、ウクライナでの戦争や中東での紛争への米国の関与の仕方、北米での同盟国3国間での輸入品課税をめぐる争いなど、これまでの数十年の国際秩序とは異なる環境が生まれてきていることを強く感じます。これらのことは間接的に産業に大きな影響を与えつつあります。例えば課税競争を経て、カナダから米国への石油・ガスの輸出そして電力供給が細くなった際に、本当に米国のデータセンターが維持できて投資を生かすことができるのかといった具合です。国際政治や経済紛争に日本が直接関与する機会は限定されますが、日本への影響はかならずあり、注視していく必要を強く感じます。

さて、前回のブログでお伝えしましたように、当社は「日本ストラタステクノロジー株式会社」から「ペンギンソリューションズ株式会社」に社名が変更になります。時期としましては、4月23日に決定しました。御取引先様には、担当の者から正式にご案内させていただきます。今後はストラタスの名称は製品ブランドとして残ることになりますので、引き続きご愛顧いただけば幸いです。これまでに変わらぬ高信頼性の製品群と高品質のサービスの提供を継続する所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。

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