ホーム リーダーシップ ミーティングとディナー、欧州との連携 ~ 日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.9

ミーティングとディナー、欧州との連携 ~ 日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.9

先週は米国に出張してまいりました。ビジネス状況を共有して議論するミーティングは、四半期毎に定期的に実施しています。12月はそれに加えて、来年度の計画の概算と主要施策を話し合う場でもあります。翌年の計画の前提は、2月末までの今年度の各地域予算達成の見通しです。12月のボストンは零下になることも多く、非常に寒いのですが、来期の予算がテーマになると通常の四半期以上に熱のこもった議論になります。ストラタステクノロジーは無停止型の技術を中心にして、全産業に製品を提供しています。従前は産業セグメント別には金融での売上が最大の領域であったのですが、昨今では産業オートメーション(製造業、交通やエネルギー、そしてスマートシティなどの社会インフラを中心にした領域)での成長率が非常に高くなっています。

施策の議論としては、これまでの産業でのポジションは維持しつつ、エッジコンピューティングでの特徴のあるベンダーにシフトして行こうというのが主な流れでした。米国、欧州、日本、そしてアジアの代表が参加して、各市場でのニーズや動向を背景に、喧々諤々の議論がおこなわれたわけです。その場には製品事業部の代表も参加して、即座に製品開発にフィードバックするような場です。私も日本の代表として、日本市場でのパートナや顧客の皆様の声を代弁する必要がありますので、緊張感のある数日間でした。

その際に、欧州のゼネラルマネージャや欧州における産業オートメーションの市場開拓マネージャと何度か話す機会がありました。もちろん、昼間は真剣に上記のようなビジネスのことを意見交換するのですが、ディナーの際には仕事以外のこともたくさん話します。ゼネラルマネージャはフランスのパリ在住ですので、週末に何度か続いている反政府デモのことを聞きました。日本で報道を見ていると、かなり激しい衝突ですので、観光へも経済面でも影響がながびくのではないかと聞きました。彼の説明では、デモの中でも暴動ともいえる過激な行動をとるのはごく一部であるし、クリスマスに向けて規模が小さくなっていくのではないかということでした。現実にマクロン大統領は燃料税増税を断念するだけではなく、最低賃金の引き上げによってデモを鎮静化させようとしていますので、当社の欧州ゼネラルマネージャの見立てのようになれば良いのですが。

欧州の産業オートメーションの市場開拓マネージャは、英国人です。以前に日本企業に勤めていた時期もあり、日本語もある程度理解できます。ディナーの際には、主にラグビーの話をしました。実は2015年のラグビーワールドカップで日本代表の監督であったエディ・ジョーンズ氏が、現在はイングランドチームの監督なのです。11月18日にロンドンの競技場でイングランド代表と日本代表の国際試合があったこともあり、彼の話しは興味深いものでした。エディ・ジョーンズ氏がイングランド監督に着任して数年は、チームが連勝を続けて良い評価だったようです。前回のワールドカップでのイングランドの成績が悪かったこともあり、選手や協会幹部に危機感があったという認識です。一方で、この1年ぐらいは選手にけが人が多くてメンバーを固定できずに、敗戦が多くなっています。評論家も厳しい意見が多く、これからが本当に監督の腕の見せ所といった状況のようです。11月の試合でもイングランド代表チームは前半では経験の少ない若手が出場したのですが、日本チームに15対10でリードをされてしまいました。後半は、バックスのオーウェン・ファレル選手を始めに、多くの主力選手を交代で出場させて逆転をしました。市場開拓マネージャの見立てでは、本来は若手の選手に前後半プレイをさせて自信をつけさせたかったのではないかというのです。つまり、エディ・ジョーンズ監督の思ったような運びの試合にはならなかったということです。日本代表チームも何人か主力選手が出場できない中での善戦でしたが、やはりチーム力の差は感じました。

来年は、日本においてラグビーワールドカップが開催されます。これはアジアにおける初めての試みです。北海道から九州までの多くのスタジアムを利用して、日本各地で国際試合が開催されます。現在の日本代表チームのキャプテンはリーチ・マイケル選手です。前回のイングランドでのワールドカップから2大会連続でキャプテンをしています。リーチ選手はニュージーランド出身ですが、札幌山の手高校を卒業し、大学は東海大学、そしてトップリーグでの所属は東芝です。つまり、ラグビー選手としては日本で育った選手です。先日のイングランド戦でも、素晴らしいプレイを披露し、トライも取りました。現地の厳しい記者の評価も最高だったようです。

ラグビーはサッカーやオリンピック競技とはことなり、代表選手は国籍主義ではありません。出生地が日本、両親または祖父母のうち1人が日本出身、あるいは、日本に3年以上継続して居住しているということが代表に選抜される条件です。但し、オリンピック競技の7人制ラグビーの代表はオリンピック憲章に倣い、国籍が条件になります。日本で開催される来年のワールドカップ時には、3年以上継続して居住しているという条件を満たして、トップリーグから何人かの外国籍選手が日本代表に加わることが考えられます。さらにレベルアップすることを期待していますし、これらの選手が加わっても日本代表チームへの応援はかわりません。特に、日本の高校や大学で成長していった外国籍の選手は、我々ファンも長く活躍を追っていますので、応援に熱がこもります。

ストラタステクノロジーは米国本社の会社ですが、米国中心の一方的なグローバリズムとは一線を画しています。欧州・アジア・日本のそれぞれの市場を視野にいれたバランスのとれた施策を取ろうとしています。そのことを確実にするためにも、昼間のミーティングの際だけでなく、夜のディナーの際にも欧州の主要マネージャと交流を図り、連携をとろうとしました。効果があったことを期待します。そして、来年3月から始まる会計年度でも、日本のパートナ様にご支援いただける施策を実施し、顧客の皆様に最適なソリューションを提供したいと考えます。

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