ホーム リーダーシップ メディアとのコミュニケーションについて考えたこと ~日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.22

メディアとのコミュニケーションについて考えたこと ~日本ストラタステクノロジー 社長ブログvol.22

皆さんがこのブログを読むタイミングでは、当社の新製品でありますztC Edge 200i/250iが発表されていると思います。この製品発表の機会をとらえて、数社のメディアによるインタビューを実施しています。皆さんにも日経xTECH、ZDNet、電波新聞、Yahoo!ニュース、BCNをはじめとする各種のメディアでご覧いただいたでしょうか。緊急事態宣言はいったん終了しましたが、やはり以前のように多くのメディアの方々に会場に来ていただいて、集合形式で対面型の発表会を実施するということには至っていません。オンライン会議ツールを使用しての仮想的なコミュニケーションになります。

このブログが紹介される号のメルマガでは、新製品に関しての情報や、メディアで扱われた記事内容が共有されていると思います。このブログでは詳細を重ねて伝えることはしませんが、私自身の立場で伝えたかったことは以下の通リです。それは、2018年に発表した第1世代のztC Edge 100i/110iは当初POC(Proof of Concept, 概念実証テスト)に使用されることから始まり、単体マシンでの実稼働機への採用に至り、最近では数十台単位の導入をするような事例が出てきたこと。そして、その数年間でのPOCや実稼働を経験した顧客やパートナーからのフィードバックをもとに、第2世代では単体の機能や性能の向上をするとともにクラウドベースの大規模導入環境での運用管理ツールを提供したということです。

こう書いてしまいますと非常に単純に思えるのですが、一概にメディアと言っても色々な特色や背景を持っていますので、実際にお伝えする際にはかなり気を使います。例えばIT(情報技術)に特化したメディアの記者と、工場現場でのOT(制御・運用技術)を中心に扱っているメディアの記者には、説明するポイントや話を深めるポイントが異なるケースがあります。エッジコンピューティングという概念も、我々とは異なる理解をしているケースもありますので、そこからスタートして説明することも多々あります。なるべく当社の発表内容に対する理解を深めていただき、記事として扱いやすくなるようにリリース文を作成して、発表内容のサマリをお渡しします。また、インタビュー時には最初に新製品発表の背景や、製品機能の詳細、販売戦略などを説明する別資料を共有してから、記者の質問を受けるようにします。尚、エッジコンピューティングの定義はこのブログの最後に記述しますので、是非ご確認ください。

おかげさまで、今回の各社の掲載内容を見ますと、当社の伝えましたことが概ね正確に理解されたようです。発表の事前準備をしたマーケティング部門や事業開発部門のメンバーの努力の賜物です。是非、機会がありましたら実際の掲載内容をご覧いただければと考えます。

少し話はかわりますが、製品発表のタイミングに前後して映画を鑑賞しました。「空白」という題名の日本映画で試写会に参加して観ました。古田新太が娘と二人暮らしの頑固な漁師の父親役で、松坂桃李が独身で地場のスーパーマーケット経営者役です。ある事件で二人ともマスコミに追われるような立場になるのですが、紙面での記事内容ですとかニュース番組での取り扱いがメディア側の意図的なものになり、実際の発言も切り取られて編集されて放送されます。無理な追っかけ方をして記者がけがをすると、逃げた側の過失を訴えるような画面の作り方もします。

我々はメディアとの接点は、日常的にはそれほど多くありません。製品発表時や広告掲載時程度です。接点がある際には、なるべく当社の伝えたいことがストレートに伝わるように、また実際の読者を意識しながらメディアの方々に情報をお伝えするのですが、これが決して簡単ではありません。上に触れたような事件における取り扱いとは異なりますしメディアの方々も概ね協力的なのですが、発表した内容のどの部分を使用するのか、どの部分を強調していただけるのかなどは、掲載された内容を見ると千差万別です。

世の中は情報にあふれています。テレビや新聞、雑誌、ラジオに加え、LINEやFacebook、TwitterなどWebサービスの進化とスマートフォンの普及によって、人が接する情報量は圧倒的に増えました。その量は過去10年で500倍以上になったとも言われています。一方で情報を入手した後の個人の処理能力には大きな変化はありません。できるだけ質の高い情報を入手して複眼的な見かたをするようにしないと、簡単に情報の海に溺れてしまいます。企業人として情報を提供する立場から、そして逆に日々情報を収集して経営判断に結びつけることを考えている立場から、ますます難しい時代になったと思います。

さて最後に、今回の製品発表時にリリース文で説明した、ストラタスの考えるエッジコンピューティングについて以下に掲載させていただきます。「エッジ コンピューティング」とは、データセンターやクラウドではなく、人々が活動する場所やモノが生産される工場など、データが生成される場所に物理的に近いところで情報処理を行う「分散コンピューティングモデル」をさします。IoT活用が進み、さまざまな機器が扱うデータの量は爆発的に増えています。データが生成された場所でデータ処理を行うことで、より効率を高めることができるものが「エッジコンピューティング」です。IoTがさまざまな分野・産業において重要となっていく中で、クラウドとエッジの双方の特性を生かしながら、補完的に活用していく形が理想といえます。

皆さんの想定していた内容と合致していますでしょうか。

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